子育て口腔予防セミナー(1)
お口の問題はほとんどが感染症
➖上手な感染予防で、口腔の健康を守っていく➖
現在の100歳時代において健康長寿ということばが盛んに使われる昨今ですが、健康長寿には体と心のふたつの健康が関与しています。また、この体と心の健康に、食というものが大きく影響していることはいうまでもありません。食は、体と私たちの免疫力を高め、心を幸せにしてくれます。
ご自分のこともそうですが、親になったら子どもの健康に関して、なおさら関心が高まっていると思います。子育てにおいて、子どものお口の中の健康を願う時、まずは、どういう問題がお口の健康を害するのか、どうしておけば健康が保たれるのかを知っておけば後悔は少なくなると思います。
今や、インプラントが市民権を得る時代になっていますし、良い入れ歯に出会えれば歯がなくなっても、食を十分に満たしていくことができるということもありますが、親からもらった自分の歯で一生食べられたらそれに越したことはないと皆さまも考えていると思います。なるべく自分の歯だけでなんの障害もなく美味しいものを舌で味わいながら食べていければこんな幸せはありません。
それではどんな理由で歯は抜けてしまうのでしょうか?
大きく3つの理由が考えられます。
1)むし歯
2)歯周病
3)噛み合わせの力
この中で、むし歯と歯周病は、感染症の結果として悪くなり歯が抜けることに繋がる病気です。感染症といっても外からの細菌ではなく、元々自分の中にある細菌たちが問題になります。
お口の中には、口腔内常在菌という生まれる時から周囲の方より受け継いだ微生物が住み着いています。このことは、腸内細菌と同じで私たちにとっては必要不可欠な細菌たちで、共生関係にある同居人と言える存在です。彼らは、身体の中で一定量存在していれば、我々に恩恵をもたらしてくれることが多いのですが、その量が増えたり、ディスバイオーシスといわれるような組成バランスを崩したりすると私たちにとって脅威になることもあります。
さて、お口の中の感染の話に戻ると、
1)むし歯は、ミュータンス菌などの砂糖を酸に分解する細菌が多くなると作られた酸によって歯が溶けて穴のあく病気です。最終的に、神経を取ることがあり、歯が抜けていくことにつながります。
2)歯周病は、攻撃性の強い歯周病原因菌が歯周ポケットの内面から体の中に入り込み、血管の中に侵入したり、歯を支える骨を溶かす病気です。歯も抜けていきますし、全身の臓器にも影響を与えます。
むし歯も歯周病もお口の中を無菌にする必要はなく、ある一定以上に細菌を増やさないことで病気を防ぐことができます。要するに予防をしっかりとし続けることでお口の健康を100歳になっても守ることができるのです。この口腔予防の意識は、お子様が生まれた時から持っているに越したことはなく、早ければ早いほど子どもをむし歯や歯周病から子供を守ることになります。