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健康もしくは病気を決定するもの(2)

お口の中の病気
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《お口の中の病気》
う蝕(虫歯)について(う蝕に関する因子は6つ)part.1

記事のポイント
  • 虫歯の発生に関与する3つの因子の中から「遺伝子」について学ぶ

 

INDEX

虫歯は、お口の中の病気として最もポピュラーな病気と認識されていると思います。疾患の内容としては、最近の出す酸で歯が溶けて穴があき進行すると神経が死ぬ(壊死する)疾患です。近年、情報を得やすくなったことから虫歯の数はかなり減少してきています。虫歯の発生する因子を熟知し、ご自分の虫歯へのなりやすさの傾向を知った上で環境を整えていきましょう。

まず、虫歯の発生に関与する3つの因子をあげてみます。
  1)遺伝子
  2)受け継いだ微生物
  3)環境(生活習慣)

遺伝子に関する2つ因子

虫歯の発生に関する遺伝子の因子は2つあり、その遺因子は以下の2つになります。
1、歯の硬さ
2、唾液の能力

歯の硬さ

歯の硬さは、虫歯に関してはもっとも影響力の高い因子です。虫歯はミュータンス菌などの出した酸で歯が溶ける疾患ですが、歯の硬さの違いは遺伝子により決定されるそれぞれの歯の臨界pH値の差に現れてきます。臨界pH値とは歯の溶けるpH値になりますが、臨界pH値が高ければ(中性に近い)、少しpHが下がっただけで歯が溶けてしまうので虫歯になりやすく、臨界pH値が低ければ(中性から遠い)、pH値が大きく下がってもなかなか歯が溶けないので虫歯になりにくいということになります。この現象はそれぞれの遺伝子により違うので、元々虫歯に全くならない人は臨界pH値が低く遺伝的にう蝕に対して守られていることになります。
人により虫歯になりやすい人、なりにくい人がいるのはこのためです。残念ながら虫歯が多いと認識する人は、環境因子の整備を徹底しないといけません。しかしながら、特に若い頃からのその努力は歯周病予防にも成果を出すのでお口の健康管理という意味では宝物のようなものになります。

唾液の能力

唾液の能力も少なからず虫歯に影響を与えます。人によっては唾液の洗浄力や抗菌力、中和能力がとても高く、それだけでとても歯の表面がきれいになっている場合があります。保育園検診の傾向の一つに、歯の表面がとてもきれいな園児と汚れにより歯に光沢がない園児とに分かれるという傾向があります。元々、年齢的に仕上げ磨きの時期なのでその良し悪しはあるでしょうが、仕上げを完璧にするのはどの子も難しいことなので、唾液の能力に依存していることが多いと考えられます。残念ながら、この時点で既に遺伝子の影響を大きく受けることになります。また、この時期唾液の分泌が多いことは歯を守ることにとても役立っており、自然の力の偉大さを感じます。逆に高齢者や薬剤服用により唾液分泌抑制が起っている方では急に虫歯が増えてくることがあるので注意が必要です。
唾液の能力も遺伝子で決まっているので、不利であると考えられた場合、環境因子の整備が重要になってきます。

遺伝子に関する自分の情報は、これから徐々に知ることができるようになると思いますが、現時点では家族歴をきちんと把握し、口腔管理の入り口である幼児期から中学・高校にかけての期間を虫歯なしで乗り切ることが大切です。

 

健康もしくは病気を決定するもの(1)はこちら

健康もしくは病気を決定するもの(3)はこちら

まとめ

虫歯の発生に関与する3つの因子には、遺伝子・受け継いだ微生物・環境(生活習慣)があり、さらに遺伝子の因子(遺因子)が2つある。
この遺因子の、「歯の硬さ」と「唾液の能力」は虫歯に大きな影響を与えます。
どちらも遺伝子で決まっているので、遺伝子に関する自分の情報を知り環境因子の整備が重要になります。

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