歯周病関連(2)
<歯周病治療に関する2つのタイプ:米国型vsスカンジナビア型(2)>
さて今回のマガジンは、『歯周病治療の米国型とスカンジナビア型』の解説シリーズ第2弾です。
今回も東北大学の江草宏先生の日本補綴学会誌(10:202-208,2018)の投稿を要約し、米国型とスカンジナビア型の違いを明確にしていきたいと思います。
シリーズ第1弾では、
1、米国型vsスカンジナビア型の歯周病治療は何が違う
2、米国型vsスカンジナビア型の共通点
について解説してあります。
そして、今回は以下の3項目について解説いたします。
3、米国型vsスカンジナビア型の治療に関する臨床エビデンス
4、米国型vsスカンジナビア型を選択する上での比較
5、米国型vsスカンジナビア型、どちらに出会うか?
3、米国型vsスカンジナビア型の治療に関する臨床エビデンス
スカンジナビア型の臨床エビデンス
「スカンジナビアンアプローチには1990年代までにほぼ確立された歴史があり、(中略)エビデンスを示す臨床研究やシステマティックレビューがいくつも存在する。」とあるようにスカンジナビア型は比較的良質のエビデンスにサポートされた治療であるといえる。
米国型の臨床エビデンス
米国型の治療は、歯周外科処置や歯周組織再生治療に関して一定のエビデンスに基づいている。インプラント周囲のティッシュマネジメントに関してのエビデンスの多くは、エキスパートオピニオン、症例報告や後ろ向き研究なので、その解釈には慎重さが求められる。
歯科の世界の中でこの領域のエビデンスは豊富にある印象があります。どちらの方法も多くの研究に支えられた考え方で治療を受けられる可能性が高いです。
4、米国型vsスカンジナビア型を選択する上での比較
1)外科処置
米国型:積極的な外科処置を採用
スカンジナビア型:まず、非外科を選択
2)治療費
米国型:治療費は高額になる可能性が高い。
スカンジナビア型:日本の保険制度でカバーされるところも多い。
3)審美性
米国型:外科処置により歯周組織の審美性は改善
スカンジナビア型:自然な骨吸収に合わせた治癒になると審美性は悪い場合もある。
治療の説明を受けた際に、2つの方法の違いを感じることができると思います。
5、米国型vsスカンジナビア型、どちらに出会うか?
「米国型vsスカンジナビア型のどちらが良いか?」という質問に答えるのは難しい。治療計画を提案する歯科医師のバックボーンによって、提案される内容も大きく変わってきます。
米国型とスカンジナビア型、どちらの方法も目指すゴールは同じになるので、自分に合っている治療法を選択していいと考えられます。
患者さんとしては、歯周病を含めた歯科治療に米国型、スカンジナビア型の2つのタイプがあることに驚かれる方もいるかもしれませんが、このマガジン記事を読んで自分に合った治療を受ける際の参考にしていただければ幸いです。
どちらの方法も目指すゴールは同じになるので、プロセスと最終の補綴物(被せ物や入れ歯)の違いの説明をよく受けて、どちらのタイプが自分に合っているかの判断が必要になります。治療を受ける際十分な説明を受けることをおすすめします。