歯周病関連(1)
<歯周病治療に関する2つのタイプ:米国型vsスカンジナビア型(1)>
みなさまは、歯周病の治療に米国型とスカンジナビア型があるのをご存知でしょうか?
最近では、歯科の世界でもEBMの考え方が浸透してきているのでエビデンスをベースに治療を行っていますが、米国型もスカンジナビア型もそれぞれのエビデンスがあり、それ故に明確な違いがあります。
今回、日本補綴学会誌(10:202-208,2018)の依頼論文として東北大学の江草宏先生がとてもわかりやすい投稿をしていただいているので、内容をみなさまに要約していきたいと思います。
「米国型」はアメリカタイプで、「スカンジナビア型」は予防先進国スウェーデン・フィンランドタイプと考えてられます。
今回、以下の5つの項目について2回シリーズで解説していきたいと思います。
1、米国型vsスカンジナビア型の歯周病治療は何が違う
2、米国型vsスカンジナビア型の共通点
3、米国型vsスカンジナビア型の治療に関するエビデンス
4、米国型vsスカンジナビア型を選択する上での比較
5、米国型vsスカンジナビア型、どちらを選ぶ?
1、米国型vsスカンジナビア型の歯周病治療は何が違う
米国型
積極的なティッシュマネージメントによってプラークコントロール環境の改善を試み審美的にも優れた状態を目指す治療です。歯周外科処置は積極的に行われます。
スカンジナビア型
「必要な処置を行い、オーバートリートメントは避けなければならない。」の概念のもとにプラークコントロールによって歯周組織の改善と安定を図ることが積極的な外科処置は選択されない。
この解説からわかることは、
1)歯周組織の最終形態
米国型:歯周組織の形態を元々の解剖学的形態に近づける。
スカンジナビア型:失われた歯周組織の形態でそれ以上病態が進行しないようにする。
2)歯周外科の考え方
米国型:歯周外科を積極的に行う。
スカンジナビア型:必要な時には歯周外科を行うが、基本的に非外科を支持。
<さらにポイントを解説>
歯科医院で歯周病の治療を受けているときに、
1)初めから積極的に歯周外科の話を説明された場合、米国型治療を選択している先生であると考えられます。
2)歯周外科の考え方として基本的に非外科であると説明を受けたらスカンジナビア型の先生であると考えられます。
2、米国型vsスカンジナビア型の共通点
どちらの型であれ、補綴歯科治療のゴールは共通しており、『良好な治療結果の長期安定』です。この考え方を達成するためにプラークコントロールが容易な環境の確立を米国型でもスカンジナビア型でも目指し歯周治療を行なっています。
歯科の世界でもEBMの考え方が浸透してきているのでエビデンスをベースに治療を行っていますが、米国型もスカンジナビア型もそれぞれのエビデンスがあり、それ故に明確な違いがあります。